歴史に学ぶ労務管理シリーズ!!パワハラ編:織田信長の足蹴り事件 byケアマネ社労士@横浜
みなさんこんにちは。ディライト社会保険労務士事務所の正躰です。
ケアマネ社労士とか言っておきながら、突如「歴史から学ぶ労務管理シリーズ」など、まったくケアマネに関連しないテーマになりますが……なぜか!?
それは!ただ私が歴史好きだからです。それ以外の何者でもありません。
歴史的な事例を現代の法令に照らし合わせるとどうなるのか、とよく考えるところです。当然、時代背景も異なるため一概には言えませんが、時代が違えども歴史から学べることは多いものです。もちろん労務管理においても通じる事象は多くあります。
今後は「歴史から学ぶ労務管理シリーズ」と題し、歴史的な事例を現在の労務管理の視点から紹介していければと思います。
なお、このシリーズで扱う内容は一般的によく知られている歴史的な事象を題材にしています。そのため、厳密な史実とは異なる部分もあるかもしれませんが、その点は何卒ご容赦いただき、楽しんで読み進めていただければ幸いです。
それでは記念すべき第1回目はハラスメント編として、
ハラスメントと言えばやはりこの方「織田信長」さん(以下、敬称略)です!!
みなさまも戦国のカリスマ、織田信長の事は重々ご存じかと思いますが、やはりパワーハラスメントと言えばこの方!!
歴史番組などでもやはり第1回目は織田信長を取り上げる事も多く、それだけエピソードに欠かない英雄とも言えるのでしょう。
改めて第1回目は織田信長さんということで、織田信長さんの有名なハラスメント事件として(と言っても、数えら得ないほどありますが、あえて)記念すべき一回目は「織田信長の足蹴り事件」をハラスメント事案として考察してみます。
事例紹介
戦国時代の覇者、織田信長。彼の苛烈な性格を示す逸話として、徳川家康の饗応役(接待役)を任された明智光秀が、信長の逆鱗に触れ、人前で足蹴にされたという話が広く知られています。理由は諸説ありますが、準備した料理に不備があった、あるいは光秀の対応が不十分だったとされます。この公衆の面前での屈辱的な暴行が、後に光秀が「本能寺の変」という最悪の決断に至る一因となった、という見方もあります。
組織崩壊の引き金? 信長の「足蹴」という大問題
天正10年(1582年)、織田信長は徳川家康をもてなす宴席で、その準備を担った重臣・明智光秀を激しく叱責し、足蹴にしたと伝えられています。これは、信長の短気さや苛烈さを示す逸話として有名ですが、もし現代の視点でこの出来事を見るならば、これは単なる「厳しい指導」でしょうか? 答えは明白に「ノー」です。これは紛れもない「パワーハラスメント」であり、「身体的な攻撃」です。歴史上のカリスマである信長だから許された、というわけではありません。この一件が、有能な部下であった光秀の忠誠心を決定的に損ない、組織の根幹を揺るがす「本能寺の変」という最悪の事態につながった可能性を、私たちは重く受け止めるべきです。
「カリスマの指導」から「違法なパワハラ」へ
言わずとも、皆さんおわかりになると思いますが、これは典型的なパワハラ
信長の行為を現代の労働法制(パワハラ防止法)に当てはめてみましょう。パワーハラスメントは「優越的な関係を背景とした言動」「業務上必要かつ相当な範囲を超えたもの」「労働者の就業環境が害されるもの」という3つの要素で定義されます。信長(トップ)が光秀(部下)に対して行った公衆の面前での足蹴や暴言は、まさに「身体的な攻撃」であり「精神的な攻撃」です。これは業務上の「指導」として許容される範囲を完全に逸脱しています。「期待しているから厳しくする」「あれくらいでへこたれるな」といった理屈は、現代のコンプライアンス意識においては一切通用しません。信長の行為は、光秀の尊厳を深く傷つけ、安全に働ける環境(就業環境)を破壊する、典型的なハラスメント行為です。
あなたの職場に「小さな信長」はいませんか?
「さすがに現代の職場で足蹴にする上司はいない」と思うかもしれません。しかし、形を変えた「信長的ハラスメント」は潜んでいないでしょうか。例えば、以下のような行為です。
- 人前での大声での叱責や人格否定: 「お前は本当に使えないな」「何度言ったら分かるんだ」
- 物に当たる威嚇行為: ミーティング中に机を強く叩く、資料を投げ捨てる。
- あからさまな無視や舌打ち: 特定の社員の意見だけ聞かない、挨拶を返さない。
- SNSやメールでの攻撃的な文言: 他の社員も見ている前での過度な「詰め」。
これらはすべて、信長が光秀に行った行為と本質は同じです。「恐怖による支配」や「見せしめ」によって、相手の尊厳を傷つけ、精神的に追い詰める行為です。あなたの職場に、小さな「信長」は隠れていませんか?
社内の「本能寺の変」を繰り返さないために。被害者と傍観者の行動指針
「信長的ハラスメント」を防ぐために、私たちはどう行動すべきでしょうか。まず、ハラスメントは「する側」が100%悪いという認識を組織全体で共有することが重要です。被害者や傍観者になった場合の行動指針を持ちましょう。
- 被害を受けたら: まずは自身の安全と心の健康を最優先してください。可能であれば「いつ、どこで、誰に、何をされたか」を具体的に記録しましょう。信頼できる同僚や上司、社内の相談窓口、あるいは社外の専門機関に相談することが重要です。
- 目撃したら(傍観者にならない): 宴席にいた他の武将たちのように、見て見ぬふりをすることは、ハラスメントを助長する行為です。直接制止するのが難しくても、後で被害者に「大丈夫だった?」と声をかける、管理職や相談窓口に事実を報告するなど、できることはあります。孤立させないことが何よりの支援になります。
もう「光秀」は生まない。階層別ハラスメント撲滅マニュアル
この「信長の足蹴」事件を、組織の各層はどう捉え、行動すべきでしょうか。
経営層(信長)の視点
トップの感情的な言動は、組織全体のモラルを即座に破壊します。信長が光秀を失ったように、感情的な叱責は有能な人材の流出に直結します。経営層は、自らがアンガーマネジメントを実践し、感情で組織を動かさないことを徹底すべきです。また、ハラスメントを絶対に許容しない(ゼロ・トレランス)という明確な方針を発信し、実効性のある相談窓口を整備する責任があります。
社員層(光秀)の視点
光秀は最終的に最悪の手段を選びましたが、現代の私たちは違います。上司からの暴力や暴言は、決して「指導」や「愛のムチ」ではありません。それは違法な「ハラスメント」です。自らの安全確保(逃げることも含む)を最優先にしてください。そして、記録(証拠保全)と相談(社内外)をためらわないでください。あなたの尊厳を守ることは、組織の健全性を守ることにもつながります。
管理層(他の武将)の視点
宴席にいた他の武将たちは、信長の暴挙を止められませんでした。現代の管理層も同様に、トップ(経営層)の暴走や、同僚のハラスメント行為を「見て見ぬふり」すること(傍観)は、組織崩壊のリスクを高めます。管理層には、勇気を持って是正を求めること、そして自らが部下に対して「恐怖」ではなく「信頼」に基づくマネジメントを実践する責任があります。
以上にて、「織田信長の足蹴り事件」をパワーハラスメントの視点で考察しみてみました。
ディライト社会保険労務士事務所では「歴史に学ぶ労務管理シリーズ」として各種研修もご用意しております。
興味をもっていただけた経営者の皆様、担当者の皆様、ぜひ社員研修にご活用いただければと思います。
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以上



