「医療・介護現場の夜勤シフトの注意点」byケアマネ社労士@横浜

みなさんこんにちは。ディライト社会保険労務士事務所の正躰です。

先日、お客様よりシフトについて相談いただきました。
内容は夕方16時から翌朝8時までの勤務について、
1日勤務となるのか、2日勤務となるのかというもので、
使用者からすると1日勤務と2日勤務では時間外労働の扱いなど、おおきく変わってくるので、
これはしっかり理解し、必要になりますよね!!

それでこの問題なのですが、結論から言うと

16時から翌朝8時までの勤務について、労働基準法上は1日の勤務として扱われます

理由
労働基準法第32条における「1日」とは、0時から24時までの暦日を意味します。
しかし、1勤務が2暦日にまたがる場合は、始業時刻の属する日の労働として扱われ、その日の1日の労働となります。
したがって、16時から翌朝8時までの勤務は、16時が属する日の労働として計算され、1日の勤務となります

上記に従って、

労働時間の計算方法
このケース(夕方16時から翌朝8時までの勤務)で、1日とカウントされた場合、
実際の労働時間はどのようになるのかというと以下の通りです。

【前提条件】
始業:16時
終業:翌朝8時
休憩:21時~22時
所定労働時間:8時間
労働時間:15時間(休憩時間を除く)

【時間区分】
①通常の労働時間      : 16時  ~ 22時(5時間※休憩時間除く)
②深夜労働時間        : 22時  ~ 翌1時(3時間)
③深夜労働時間+時間外労働 : 翌1時 ~ 翌5時(4時間)
④時間外労働        : 翌5時 ~ 翌8時(3時間)

となり、その際の賃金の割増率は

① 割増率無し
② 深夜労働にて25%増
③ 深夜労働と時間外労働にて50%増
④ 時間外労働にて25%増

となり、通常賃金と深夜労働に対する手当とは別に時間外労働に対する手当まで発生してしまいます。
(法人にとっては正直痛手・・・)

ではこの状態をどうにかして改善できるかというと・・・
現状、この勤務を2日の勤務としてみなすことは難しいのですが(無理矢理できなくもないのですが、ここではやめておきます)
ただ時間外労働ついては、変形労働時間制を導入することで、対応をとることができます。

変形労働時間制を導入する効果
変形労働時間制を導入すれば、日によって労働時間が異なる勤務形態を設定できます。
1か月単位の変形労働時間制では、1か月以内の労働時間を週平均40時間(特例措置対象事業場は44時間)以内で設定すれば、特定の日に1日8時間を超える労働をさせることが可能となり時間外労働の発生を抑止できます!!

と、いう訳で、すでに夜勤が組まれているような職場では、
1か月単位の変形労働時間制が既に導入されているのではないかと思いますが、
万が一導入をせず、上記のようなパターンの勤務を行っているようなら、
時間外労働時間の割増賃金の支払いが必要となってきます。

では、次回は、具体的な1か月単位の変形労働時間制の制度や導入方法について説明を行ってまいります!!

もし、導入をお急ぎ、また導入しているが制度上問題無く運用できているか不安等ございましたら、
お気軽にディライト社会保険労務士事務所へご相談ください。

以上