【基礎知識】「うちの会社は大丈夫?」知っておきたい労働時間の適正な把握。着替えや電話番も労働時間!? byケアマネ社労士@横浜

◆労働時間。ただしく管理できていますか!?

みなさん、こんにちは!ディライト社会保険労務士事務所の正躰(しょうたい)です。

8月もお盆が過ぎました。でもまだまだ赤レンガ倉庫や山下公園周辺では夏イベントが目白押しですが、外を少し歩くだけで汗が吹き出しますね!猛暑の中でも現場を走り回る経営者や人事担当のみなさん、本当にご苦労様です。

さて、この時期に現場から多く寄せられるのが「これって労働時間に入りますか?」というご相談です。 「始業前の着替え時間」や「昼休みの電話当番」、「自主参加という名の研修」。

「タイムカードを押した前後だから関係ないでしょ」 「本人が勝手に残って準備しているだけだから……」

と軽く考えていると、労働基準監督署の臨検(立ち入り調査)が入った際に、数百万円〜千万円単位の「未払い残業代」が発生する大リスクに直免します!

今回は、厚生労働省のガイドラインを踏まえつつ、私が過去に青ざめた失敗談を交えて「正しい労働時間の把握」についてザックリ解説します!

◆ やらかし社労士の「港北区の事務所で言葉を失った」失敗談

数年前、港北区にある介護・福祉事業所様でお手伝いをしていたときのことです。 労務管理のチェックで訪問した際、スタッフさんが「11時半から12時半まで昼休みです」と言いながら、事業所の固定電話の横でお弁当を食べていました。

私が「あれ?電話が鳴ったら出ているんですか?」と聞くと、管理者様が笑顔で「ええ、みんな順番で電話番をしてくれています。でも、電話が鳴らなければ食べて休んでいるだけなので、ちゃんと休憩時間ですよ!」とおっしゃったんです。

……はい、完全にアウトです! 「電話が鳴ったら出なければいけない状態(手待時間)」は、たとえ1回も電話が鳴らなかったとしても、法律上は「労働から解放されているとは言えず、まるまる労働時間」になります。

その場で過去半年分のタイムカードと控除額を計算し直し、未払い分を精算することに……。管理者様と二人で「よかれと思ってやっていたのに……」と港北区の事務所で言葉を失いました。

◆ そもそも「労働時間」ってどこからどこまで?

結論から言うと、労働時間とは「会社の指揮命令下に置かれている時間」のことです。 就業規則に「9時〜18時」と書いてあっても関係ありません。客観的な実態で判断されます。

特に間違えやすい「グレーゾーン」を整理しました。

① 始業前の準備・着替え・清掃・朝礼

 会社指定の制服や作業着への着替え、開店準備、全員参加の朝礼などは、会社から事実上強制されているため 「労働時間」です。

 NG例:「9時始業だから、制服への着替えと清掃を終わらせて9時ジャストにデスクに着いてね!」(←着替えと清掃の時間が未払い残業になります)

② 昼休みの電話当番・来客対応(手待時間)

 指示があればすぐ業務に移らなければならない待機時間は、「手待時間(てまちじかん)」と呼ばれ、労働時間として扱われます。

 NG例:「昼休み中、デスクで待機して電話が鳴ったら取ってね」(←実際の通話時間だけでなく、待機していた60分間すべてが労働時間になります)

③ 終業後の研修・勉強会

 業務上必要な知識の習得や、不参加だと評価が下がるような研修は、名目が「任意参加」であっても実質強制とみなされ「労働時間」になります。

◆ 厚労省ガイドラインが求める「始業・終業時刻」の記録方法

厚労省のガイドラインでは、会社が従業員の労働時間を把握する方法として以下のルールを定めています。

原則的な方法(どちらか必須)

  1. 使用者(管理者)が自ら直接確認して記録する
  2. タイムカード、ICカード、パソコンのログイン・ログオフ記録などの客観的な記録

「自己申告制(本人の手書き日報など)」は原則NGです!どうしても自己申告制にする場合は、パソコンの稼働履歴と申告時間にズレがないか定期的に実態調査を行う必要があります。

◆ 会社が今すぐやるべき4つの実務チェック

1.タイムカードの「打刻タイミング」の見直し
着替えや準備を「タイムカードを押した後にやる」ルールになっていませんか?「打刻してから着替える」または「着替え時間として一定の固定手当を支払う」などの整理が必要です。

2.昼休みは「完全に労働から解放」させる
電話当番を置くなら、その時間は労働時間(残業代支給またはシフトで別時間を休憩にする)として扱うか、留守番電話に切り替えましょう。

3.賃金台帳の適正な記載と「5年間」の書類保存
出勤簿やタイムカード、残業命令書などは5年間(当面は3年間)の保存義務があります。適正に記載されていない場合、30万円以下の罰金対象になることもあります。

4.勤怠管理システムの導入
テレワークや直行直帰、変形労働時間制などが混在している場合、手計算やエクセル管理はミスのもとです。客観的ログが残るクラウド勤怠システムの導入を強くおすすめします。

◆ まとめ:「実態」に合わせた管理で未払いリスクを防ごう!

「昔からこのやり方で誰も文句を言っていないから」 「みんな納得して着替えてから打刻しているから」

そう思って放置している会社ほど、退職時のトラブルや労基署の調査で手痛いしっぺ返しを受けることになります。大切なのは、法律上の「客観的な実態」に合わせて管理ルールを整えることです。

「うちの着替え時間って、やっぱり残業代を出さないとマズい?」 「昼休みの電話番、どうやって運用を変えればいい?」

そう思ったら、私の「港北区での冷や汗(笑)」を思い出して、ぜひディライト社会保険労務士事務所にご相談ください! 貴社の現在の働き方に合わせた労働時間管理のアドバイスから、クラウド勤怠システムの導入支援まで、横浜の現場を知り尽くした社労士が全力でサポートいたします。

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